私ども民事法務協会は、昭和46年に設立され、50年余の歴史を有しています。
当協会は、これまで、主として、全国各地の法務局から登記、戸籍、供託等の事務に関連する業務の委託を受け、その業務を適正に処理することを通じて、民事法務行政に深く関わり、国民の皆様の生活と権利を守るお手伝いをしてきました。
これまで携わってきた大きな事業としては、登記のコンピュータ化があります。これは、紙の登記簿からコンピュータの登記簿に移し替える作業で、平成20年3月に延べ20年の歳月を費やして完成にこぎつけ、登記所における事務処理のスピードアップに大きく貢献しました。
また、当協会では、長年、民事法務の制度に関し、その発展と円滑な運営に寄与してきた経験と信頼を活かして、現在、成年後見事業にも積極的に取り組んでおります。
この分野における協会の取組みは、平成20年までは、成年後見制度の普及促進のための広報活動、講演会の開催、法制上の問題点の研究など側面からの支援に力を注いできましたが、平成21年からは、法人として家庭裁判所から成年後見人に選任され、東京近郊においては、具体的な受任事業にも力を注いでいるところです。
わが国における成年後見制度の利用は、欧米諸国に比べるとまだまだ十分ではないという状況にありますが、今後、高齢化の進捗とともに、その利用が急速に拡大していくものと見込まれます。当協会は、この社会の需要に応えるため、さらに体制を整備強化して、成年後見人・成年後見監督人の受任、任意後見契約の締結、成年後見制度に関する相談・啓発などの事業を積極的に推進していきたいと考えています。
当協会は、成年後見人などを必要とする多くの皆様に、安心して心豊かな人生を送っていただけるよう、誠意を尽くして、それらの方々に寄り添い、お支えします。当協会をご活用いただければ幸いです。
一般財団法人 民事法務協会 会長 内田 貴